聖書に記されている神の契約

聖書に記されている神の契約

神とイスラエルの民との関係は多くの契約に基づいている。
聖書には七つの大きな契約について記されている(他にも、シナイ契約シケム契約※1などがある)。
その内、アダム契約、ノア契約、アブラハム契約、土地の契約、ダビデ契約と新しい契約の六つの契約は、神の無条件契約であり、イスラエルの民の従順、不従順に関わらず、神は契約の内容を忠実に履行、成就される。

第一の契約【アダム契約】(創世記1~3章) →神とアダム(人類代表)との契約
アダム契約は、❶エデン契約と❷アダム契約に分けることができる。

❶エデン契約 創世記1:26~30、2:16~17に記されている契約で、人類の被造物に対する責任と善悪の知識の木についての命令を含む。→祝福か、死と呪いかの試験
▶創世記1:26~30
神は言われた。「我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。そして海の魚、空の鳥、家畜、地の獣、地を這うものすべてを支配させよう。」神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。神は彼らを祝福して言われた。「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ。」神は言われた。「見よ、全地に生える、種を持つ草と種を持つ実をつける木を、すべてあなたたちに与えよう。それがあなたたちの食べ物となる。地の獣、空の鳥、地を這うものなど、すべて命あるものにはあらゆる青草を食べさせよう。」そのようになった。
▶創世記2:16~17
主なる神は人に命じて言われた。「園のすべての木から取って食べなさい。ただし、善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。食べると必ず死んでしまう。」

❷アダム契約 アダムとエバの罪によってもたらされた呪いとその罪に対する救いについての契約である(創世記3:16~19)。→裁きの警告
▶創世記3:16~19
神は女に向かって言われた。「お前のはらみの苦しみを大きなものにする。お前は、苦しんで子を産む。お前は男を求め/彼はお前を支配する。」神はアダムに向かって言われた。「お前は女の声に従い/取って食べるなと命じた木から食べた。お前のゆえに、土は呪われるものとなった。お前は、生涯食べ物を得ようと苦しむ。お前に対して/土は茨とあざみを生えいでさせる/野の草を食べようとするお前に。お前は顔に汗を流してパンを得る/土に返るときまで。お前がそこから取られた土に。塵にすぎないお前は塵に返る。」

第二の契約【ノア契約】(創世記6~9章) →神とノアとの契約
神がノアたちや人類(人間のみならずすべての動物が含まれている)と一方的に交わした無条件契約。
洪水の後、神は世界を洪水で滅ぼす事はしないと約束し、この契約のしるしとして雲の中に虹(→虹はヘブライ語で「弓」を意味し、弓を置くことは戦いの終結も示す)を与えた(創世記9章)。

第三の契約【アブラハム契約】(創世記12:1~3、12:7、13:14~17、15:1~21、17:1~14、22:15~18)
→神とアブラハムとの契約
神はアブラハムに多くの事を約束された(国土獲得、子孫繁栄、万民祝福)。神はアブラムを大きな国民にし、祝福してその名を高めると言われ(創世記12:2)、子孫を数え切れないほどにする(創世記13:16)、そしてアブラハムを多くの国民の父とする(創世記17:4~5)と約束された。神はまたイスラエルの国についての約束もされた。アブラハム契約で約束されているもう一つの事柄は、アブラハムの家系を通して、世界中の家族が祝福を受けるという約束である(12:3、22:18)。

第四の契約【モーセ契約】(出エジプト記19~24章、申命記28〜30章)
→神とイスラエルの民との契約(仲介者:モーセ)
モーセ契約はイスラエルの民に対する条件付契約で、この契約には十戒や律法の全てが含まれている。

第五の契約【土地の契約】(申命記30:1~10) →神とイスラエルの民との契約土地の契約はアブラハム契約にも含まれていた。もし、民が神に立ち帰り律法に従うなら、神は民を先祖の地に戻して祝福する。この約束はモーセの時代より何世紀も後に現れた多くの預言者によって語られた言葉に極めて近い(イザヤ書49:12、エレミヤ書3:12~18、エゼキエル書11:15~21、ホセア書14:2~10)。

第六の契約【ダビデ契約】(サムエル記下7:5~16) →神とダビデとの契約
ダビデに与えられた約束は重要で、神はダビデの家系が永遠に続き、その王国が永遠に終わる事がないと約束された(7:16)。歴史的にダビデの王座は続いていませんが、ダビデの家系から王座に就き永遠に王として統治される方がイエス・キリストである(ルカ1:31~33、下図参照)。
出典(図):聖書人物略図/一部(聖書Navi Active)

第七の契約【新しい契約】(エレミヤ31:31-34) →神とイスラエルの民(イスラエルとユダ)との契約
見よ、私がイスラエルの家、ユダの家と新しい契約を結ぶ日が来る、と主は言われる。(エレミヤ書31:31)
→ →神はイスラエルの民と新しい契約を結ばれる。
これは、信仰によって求める罪人に神が救いを与えられるという恵みの契約である。しかし、新しい契約はシナイ山でモーセを通して結ばれた契約※1を破棄するものではない。シナイ山での契約において神はイスラエルの神となり、民は神の命令である律法に従わなければならなかったが、民は神に背を向けてしまった。新しい契約では律法が「石の板」ではなく直接人々の心と思いに刻み込まれる。外面的なしるしや儀式を守るだけではなく、自分たちの幸いのために神に心から従う(エレミヤ書32:37~44)。この新しい契約において神は人々の罪を赦し、忘れる(ホセア書2:16~20、ヘブライ人への手紙8:7~13、10:16~17)。イエスはモーセの律法を成就し(マタイ5:17)、新しい契約を神とその民の間に結ぶために来られた。私たちは今や、新しい契約の下にあるので、ユダヤ人も異邦人も律法から来る罰を受けることがなく、救いの賜物を受けることができる(エフェソの信徒への手紙2:8~9)。

※1:シナイ契約シケム契約
【シナイ契約】イスラエルの民は主なる神の力強いみ手によってエジプトから解放された。エジプトを脱出して3か月目に、彼らはシナイ半島にある神の山、シナイ山で神と契約を結んだ。民を代表してモーセがシナイ山の山頂で、「十戒」と「契約の書」(出エジプト記20:1~23:19)を神から授かり、神とイスラエルとは契約を締結した(出エジプト記24章)。これがシナイ契約である。この契約によって、イスラエルは神の民とされ、神との契約の中で生きる民、神のみ言葉に聞き従って生きる民として誕生した。

【シケム契約】ヨシュアはイスラエルの全部族をシケム(カナン中央部にあり、アブラハムの時代には聖なる木があったとされ、ヤコブが祭壇を建てたとされる場所、創世記12:6、33:18~20)に集めて、ヤハウェとの契約02 永遠の契約・永遠の福音20191120 03 新しい契約更新の儀式を行った。これが「シケムの契約」(ヨシュア記24:1~28)である。
                                 
参考:永遠の契約・永遠の福音
参考:新しい契約