過越祭と除酵祭

過越祭と除酵祭
キリストの受難劇の背景となる過越祭(ペサハ pesach)は、ユダヤの三大祭(春の過越し祭〈ペサハ〉夏の七週の祭り〈シャブオット〉、秋の仮庵の祭り〈スコット〉)の一つで、出エジプトの出来事を記念する春の祭りです。
また、「除酵祭」は過越祭とセットで祝われ、過越の翌日から、1週間、種なしパンを食べながら、出エジプトを記念する祭りです。

祭りの準備は、ニサンの月の10日(イエス・キリストがロバの子に乗ってエルサレムに入城された日でもある)から始まり、傷のない一歳の雄の小羊が選り分けられ、14日の夕方にほふられる。ユダヤ暦では日没から一日が始まりますので、14日の夕=15日(除酵祭の第一日:マタイ26:17、マルコ14:12、ルカ22:07)になり、このニサンの月の15日が過越の祭になります。

聖書において、「パン種」は「罪の象徴」です。ヘブル語で「パン種」のことを「ホーメツ」(חֹמֶץ)と言いますが、その語彙には「酸っぱい」「苦い」という意味があります。私たちを「酸っぱく」し、「苦い」者としてしまうのが罪の性質です。逆に、「マッツァー」、すなわち「種の入らないパン」は「酸味のない甘いパン」という意味になり、罪のない生活の喜びや健全さを象徴しているのです。つまり、過越の祭りを通して、イスラエルの民が神によってエジプトから贖い出されたのは、傷もなく汚れもない小羊の血によったのであるということを確認した後に、罪から離れて神の民としてふさわしく生きるための方向づけとして、七日間にわたる「除酵祭(種の入らないパンの祭)」が制定されました。「七日間」というのは、「完全に」という意味が込められています。

「過越の祭」には「過越の祭」と「除酵祭(種を入れないパンの祭)」があり、8日間続く祭りの内、初日(ニサンの月14日の日没から15日の日没まで)を「過越の祭」といい、残りの7日間(ニサンの月15日の日没後から21日まで)を「除酵祭(種を入れないパンの祭)」と言いますが、祭り全体の8日間を「過越の祭」と言う場合もあります。